【遺言】自筆証書遺言の保管制度とは?

自筆証書遺言保管制度について

保管制度とは何か?

「自筆証書遺言書保管制度」は2020年から開始されました。
全国の法務局に遺言書保管所が設けられ、自筆証書遺言を保管できる制度です。
利用できるのは、住所地・本籍地・所有不動産の所在地のどれかのある法務局です。
2025年5月までの法務省の統計では、約98000件の利用がされています。

なぜできたのか?

この制度は、下記のような、自筆証書遺言の問題点を解消するために創設されました。

  • 「どこに遺言書があるかわからない」
  • 「遺言書の存在を誰も知らず、そのまま相続手続きしてしまった」
  • 「相続前に遺言書を発見した人が、勝手に書き換えた」

つまり、紛失・改ざんを防ぎ、家庭内トラブルを抑止することが期待されています。

保管制度の利用方法の流れ

保管申請の流れ

  1. 自筆証書遺言を作成
  2. 本人が法務局に予約(事前予約必須)
  3. 必要書類を持って、法務局へ
  4. 本人確認・内容確認(形式要件のみ)・費用納付
  5. 保管番号が交付されて完了

必要書類

  • 保管申請書(法務局か法務省のサイトから入手)
  • 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど顔写真付き)
  • 住民票の写し
  • 作成済みの遺言書(封はしない)
  • 保管手数料(3,900円)

費用・期間・有効性について

保管費用と期限

費用は、1通につき3900円です。
法務局か郵便局で、収入印紙を購入して納付します。
保管期限は原則として、本人が取り下げるか死亡後に開示されるまで有効です。

効力や法的有効性は?

保管された遺言書は、家庭裁判所の検認が不要となります。これは大きなメリットです。
ただし、内容が法律に反していれば無効になる可能性もあるため、書き方には注意が必要です。

保管制度のメリット・デメリット比較

保管制度のメリット・デメリット

保管制度のメリット・デメリットについて表にしてみます。

メリットデメリット
紛失・改ざんを防げる法的に有効かはチェックされない
検認が不要で手続きがスムーズ本人が出向く必要がある
家族が遺言の存在を知ることができる内容の相談には応じてもらえない

保管制度のメリット

◎紛失・改ざんを防げる

遺言書を法務局に保管しておくため、「遺言書が見つからない」、「こっそり誰かに書き換えられた」といった紛失・改ざんが起こりません。

◎検認が不要で手続きがスムーズ

遺言書を法務局に保管しておくため、家庭裁判所での検認が不要になります。
検認の手続きを終えるまで2か月以上かかることが多いので、時間や手間を省けます。

◎家族が遺言の存在を知ることができる

申請時に、相続人への通知制度を利用するか希望できます。
希望しておけば、相続が始まったときに、指定した相続人へ保管通知が送られますので、未発見のリスクが少なくなります。
もしくは、通知が来ない場合でも、法務局に問い合わせることで有無を確認できます。

×法的に有効かどうかはチェックされない

法務局の窓口では、遺言書の要件や形式にそっているかはチェックします。
ですが、遺言書の内容が適正・適切かは別問題であり、チェックしてくれません。これについては個々の検討が必要です。
「法務局がチェックしてくれるから、保管受付してもらえれば、使える遺言書になるだろう」と安易に思うのは、危険です。

×本人が出向く必要がある

原則、本人のみ申請可能です。代理人申請できません。本人が付き添いの方と行くのはOKです。

×内容の相談には応じてもらえない

内容や文面の作成について、法務局では相談できません。ご自身で作成するか、専門家のサポートを受けて作成する必要があります。

保管制度についてのまとめ 

  • 自筆遺言書保管制度を利用することで遺言書の紛失・改ざんのリスクが減らせます
  • 検認不要で、相続手続きがスムーズになります
  • 形式チェックはしますが、内容があいまいだと保管していても無効になる可能性はあります
  • 少しの費用(3900円)と、書類の準備と、法務局へ行く手間はかかります。

【まとめ】保管制度自体は便利!ただ、遺言書作成時には注意!

保管制度自体は便利

自筆証書遺言保管制度は、上記のように、自筆証書遺言の問題点をいくつか解消してくれるものです。
利用することで、将来の心配やご不安を軽くすることもできるでしょう。
ただし、書き方や相続人への配慮を誤ると、制度を使っても意味が薄れてしまう場合があります。

遺言書を作成するときには、専門家のチェックを!

最近は「終活」や「相続」についての特集記事やテレビ番組も多くなっています。
「本やネットで調べた通りに遺言書を作成すれば大丈夫だろう!」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、このケースでもミスが起こる可能性はあります。

たとえば、思い込みや勘違いで記載が不足していたり、不適切な言葉が使われたりという場合が考えられます。
また、書きたい内容と見本例が合っていなくて、遺言書の記載がおかしい場合も散見されます。
せっかく遺言書を作成しても、書いた方の意思がうまく伝わらないのは非常にもったいないことです。
他にも、遺留分や予備的遺言を考慮していないために、予期せぬトラブルになることもあります。
手続き面で言うと、遺言書の記載に不備や問題があると、登記手続きや銀行手続きの際、窓口で受付が難しくなり、進まなくなる可能性もあります。

法律の専門家が監修した本を参考にしたとしても、実際に遺言書を作成して記入するのはご自身です。
ごくシンプルな内容なら問題にならないかもしれませんが、
遺言書を作成する時には、形式・内容の両方で問題ないか、しっかりチェックしましょう。


タイヨウ行政書士事務所では、初回ご相談を無料で行っております。
遺言書作成について、何か迷われたり、気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

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