実家の相続がおこったら

「なあ、兄貴。このままやと実家が空き家になるやろ? どうするん?」
そんなLINEが、妹から届いたのは、父が亡くなって三日後のことでした―――。
相続の話はまだまだ先のことだと思っていても、いつか必ずやってくる「実家どうする問題」。
これは、個人の問題だけでなく、社会全体の問題になりつつある「2025年問題」とも重なるのです。
2025年問題とは? 相続や空き家問題と密接な関係が。
2025年には、団塊の世代(昭和22(1947)~24(1949)年生まれ)が75歳以上の後期高齢者に突入すると言われています。
この世代は母数が多く、多くの方が後期高齢者になることで、社会全体が本格的に「超高齢化社会」といわれる局面へ突入します。
そうすると、日本社会にいろいろな問題点が出てきます。これが「2025年問題」です。
2025年問題の主な問題点
- 団塊の世代がすべて75歳以上になり、高齢化が一気に進行
→ 医療・介護・年金制度の負担が急増。 - 介護人材の圧倒的な不足
→ 特に地方では「介護してくれる人がいない」問題が深刻化。 - 高齢者単身・夫婦世帯の増加
→ 認知症リスク・孤独死・財産管理・見守りの必要性が高まる。 - 空き家の急増
→ 相続後に放置された実家などが、管理・処分されず地域課題に。 - 認知症高齢者の増加による「意思能力」の問題
→ 遺言書が無効になる、財産管理ができないなど法的トラブルも。 - 相続手続きを行える親族が高齢or遠方というケースの増加
→ 実務処理がスムーズに進まず、資産凍結が長期化するおそれ。 - 「おひとりさま高齢者」の増加
→ 相続人不在、死後事務の担い手がいないなど、生前対策の重要性が増す。 - 相続をめぐる親族間トラブルの増加
→ 遺産分割協議でもめる家族が増え、関係性が悪くなる。 - 後見制度の利用者増加とその限界
→ 法定後見制度は手間・コストが高く、柔軟な対応が難しい。 - 高齢化した中小企業オーナーの事業承継問題
→ 後継者不足により黒字倒産や廃業が相次ぐ可能性。
医療や介護、経済などにも様々な影響が出るのですが、相続手続きにも大きな影響が出てきます。
ここでは、地方や郊外に増える「住む人がいなくなった実家」=空き家、がどんどん増えること(「空き家問題」)を中心に取り上げたいと思います。(他の問題は、別の記事で取り上げます)
例えば、空き家が放置されると、次のようなリスクが発生します。
実家を相続したときに起こりがちなトラブル10選
- 相続人同士で話し合いがまとまらず、手続きが進まない
- 相続登記をしないまま放置すると、代が変わってさらに複雑化
- 誰も住まないのに「売ることにも抵抗がある」心理的な葛藤
- 家の名義変更をしないまま放置し、売却も解体もできない
- 固定資産税の支払いが続き、負担が大きくなる
- 空き家に不審者が侵入・放火など防犯面での不安やリスク
- 草木が伸び放題で、近隣住民とトラブルになるリスク
- 老朽化による倒壊リスク
- 空き家対策特別措置法による行政指導のリスク
- 遠方で管理ができず、業者に高額な管理費を払うことに
「実家の相続」というのは、大きな問題の一つです。
多くの相続の場合、実家の土地・建物が一番の財産になることが多いですが、愛着があるけど売ってしまうのか、そのまま住むのか。
相続の際に、相続人の間で意見が分かれることが多いんです。
例えば、お父さんが亡くなって、お母さんがそのまま実家に住む、という場合。
お母さんが健康に生活できているなら、その時点ではそんなに問題にならないです。
しかし、実家に住んでいたお父さんやお母さんが亡くなり、子どもたちが相続する場面(二次相続)になると、この「実家どうする問題」が出てきます。
例えば、子どもたちが独立して遠方に住んでいて、生活基盤もそちらにあるという場合、なかなか転職や転勤して地元に戻ってくるということは難しいでしょう。
同居しているお子さんがいる場合でも、今後も住み続けるのか、築年数も経っているので処分するのか、考えないといけません。
ただ、決めかねてそのまま放っておくと、固定資産税や管理のリスクが出てきます。
つまり、上記の1~10のトラブルになってしまいます。
実家の相続と空き家をめぐる対策とは?
ここまで、問題点やトラブルを並べてしまいましたが、不安でいっぱいになることはありません。
事前にできる対策・相続発生後の対応をきちんと整理しておくことで、不安をぐっと軽くできます。
生前対策
- 遺言書を作成しておく(誰に不動産を相続させるかを明記)
- 家族信託を活用して、将来の管理を任せる
- 早めに家族間で話し合い、将来の方針を共有しておく
あらかじめ方針を明らかにしておくこと、家族にも共有しておくことで、相続トラブルは少なくすることができます。
また、遺言書だけでなく、信託制度も利用することで、将来の管理を具体的に任せることもできます。
相続発生後の対応
- 相続登記(不動産の名義変更)をすぐに行う
- 空き家バンクなどを活用し、利活用・売却の検討
- 解体・更地、駐車場(賃貸向け建物)にするなど、管理しやすい形への転換
相続登記が2024年に義務化されて、3年以内に登記しないと罰則(10万円以下の過料)があります。
(※登記業務は司法書士の専門です)
また、放っておくと、管理の問題や固定資産税の支払い、または「特定空き家・管理不全空き家」に指定されて行政処分を受けることなど、上記6~9のリスクがどんどん増えます。
早めに、何らかの処分(住む・売る・貸す・解体など)をしないといけません。
行政書士に依頼してできること
相続手続きは、戸籍集めから始まり、不動産・預貯金・税金の手続き、そして相続人同士の話し合い(遺産分割協議)など、やることが本当に多いのが実情です。
行政書士に相談することで、以下のようなメリットがあります。
- 遺言書作成(自筆・公正証書)を万全にサポート
- 戸籍や登記簿の取得を代理で行える
- 相続手続きで必須の、遺産分割協議書やその他書類の作成のプロです
- 相続登記には司法書士を紹介可能
- 相続人同士の話し合いについて、中立的な立場で法律的な助言を行います
「よくわからないから放置」がいちばん危険です。
行政書士が、そうした不安の入り口に寄り添い、サポートいたします。
(※相続人間で紛争状態になった場合は弁護士対応になります)
まとめ:実家を守るのも、手放すのも「家族の選択」
とにかく大切なのは、「どうするかを家族で話しておくこと」です。
相続も空き家も、動き出すのが早ければ早いほど、選択肢が広がります。
相続や空き家の問題は、誰にとっても初めてのことであり、そして避けて通ることのできない現実です。
「まだ先のことだし…」と後回しにしてしまいがちですが、いざという時には、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
実家とは、単なる「不動産」ではなく、家族の思い出が詰まった、心のよりどころでもあります。
だからこそ、「残すのか」「売るのか」「貸すのか」―どの選択をとっても、100%心から納得するのは難しいでしょうし、感情の整理も必要になります。
しかし、あらかじめ家族で話し合い、方向性を共有しておくだけでも、いざという時の精神的負担は大きく減らせます。
相続や空き家の扱いは、「いざ起こってからでは」、「放置すればするほど」どんどん選択肢が限られてしまうことも多いのです。
今なら、まだできることがあります。生前のうちにできる準備もあります。
遺言書の作成や家族信託など、専門家と一緒に進める方法もあります。
「2025年問題」の、2025年になった今こそ、「うちの場合はどうなのか?」を考えるタイミングです。
あなたの「想い」や「選択」が、未来のご家族を守る大切な準備になります。
気になったら一度ご相談ください
「こんなこと相談してもええんかな?」、「こんなん聞いたら笑われへんかな?」
ちょっと聞いてみるだけでも構いません。
小さなご不安も、大きなトラブルになる前に一緒に整理していきましょう。
まずはお電話やメールでご相談ください。ご相談は初回無料です。
