「お葬式のことも、ちゃんと決めておきたい」
「子どもにはできるだけ迷惑をかけたくないし、自分が亡くなった後のお葬式のこともきっちり決めておきたい。遺言書に書いておけばいいんでしょ?」
こう考えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
ですが、これは正しくないんです。
実は、遺言書には「お葬式やお墓の希望」は法的な拘束力がないのです。
例えば、ご本人が「クリスチャンだから教会で葬儀をしてほしい、遺骨は故郷の海に散布してほしい」と遺言書に書いていても、それが実現するかはご遺族次第なのです。
誇大で無理な注文でなければ、大体は故人の意思を尊重して進めてくれるとは思いますが、実際はそうならないことも…。
では、どこにどう書いておけば安心なのか?――
それが今回のテーマ「死後事務委任契約」です。
遺言書では「財産」や「相続」に関することしか決められません
まず、遺言書は「財産に関する意思表示」を書き残す法的な書類です。
たとえば、以下のようなことは遺言書に記しておくことで、法的な効力が生まれます。
- 誰にどの財産を相続させるか
- 法定相続人以外の人に財産を遺贈する
- 子の認知など身分的なこと
- 遺言執行者の指定
ですが、「葬儀の内容」や「遺骨の埋葬先」「ペットの世話」「関係各所への連絡」などは、遺言書に書いても法的な義務にはならないのです。
「死後のこと」まで指定できるのが、死後事務委任契約です
死後事務委任契約(しごじむいにんけいやく)とは、ご本人が亡くなった後に必要となる「様々な事務手続き」を、信頼できる人に託す契約です。
たとえば、以下のような事務を生前に指定しておくことができます。
- 葬儀や火葬の手配
- 納骨・埋葬・散骨などの希望
- 公共料金や住居の解約、退去手続き
- 病院や施設への入院費や医療費の支払い、清算
- ペットの引き取りやお世話の手配
- 家財や遺品の整理
- SNSや電話番号、会員サービスの解約
つまり、「遺言書では書ききれないこと」をカバーできるのが、死後事務委任契約なのです。
死後事務委任契約の作り方と手続きの流れ
- どのような内容を委任したいかを整理(例:お葬式の形式、散骨希望など)
- 信頼できる委任先を決める(家族・知人・行政書士など)
- 契約書を作成し、公正証書にする(証拠力を高めるため)
- 費用の準備(委任事務にかかる経費を別途預ける)
公正証書(こうせいしょうしょ)として残しておくことで、後々トラブルを防げます。
また、実務的な部分は行政書士がサポートできますので、お一人で悩まずご相談ください。
どんな人に向いているのか
基本的には、遺言書で指定できないことを死後事務委任契約で補う、という使い方でいいと思います。
では、これを使ったほうがいいのはどんな方でしょうか?見てみましょう。
検討したほうがいい方10選
- 1. 子どもや家族がいない方(おひとりさま)
身内がいない場合、自分の希望を叶えるためには第三者に任せる契約が安心です。 - 2. 生涯未婚の方
将来的な不安を減らすためにも、元気なうちに準備しておくことが大切です。 - 3. 家族が遠方に住んでいる・海外在住の方
急な手続きが必要になった際、すぐに動ける人がいない場合に備えておくと安心です。 - 4. 家族はいるが、頼みにくい・関係が薄い方
「迷惑をかけたくない」「家族の体が悪い」「絶縁」などの理由で、身内に頼りにくい方に。 - 5. 事実婚・同性パートナーなど法的家族でない方に託したい方
法的に相続人とならない相手にも、正式に依頼する手段として活用できます。 - 6. 葬儀やお墓の希望が明確にある方や家族と希望が違う方
「夫は先祖の墓、妻は樹木葬を希望」等、葬儀の形式や納骨方法の希望を明確に伝えたい方に。 - 7. ペットを飼っていて、自分の死後が心配な方
引き取り先やお世話の手配も、契約内容に含めることが可能です。 - 8. 支援者がいない生活保護・施設入所中の方
身寄りがない場合、行政機関とのやり取りもスムーズに進める準備が必要です。 - 9. 自宅や家財道具の整理・処分を考えている方
遺品整理や住まいの解約など、煩雑な死後の手続きをスムーズに。 - 10. 前向きに「終活」を進めたい方
葬儀の形式や遺影、メッセージなど、自分らしい最期を準備したい方におすすめです。
行政書士に依頼するメリットとは?
- 死後事務および遺言書等、法律関係の書類作成の知識が豊富
- 契約書の作成、内容確認、公証人とのやり取りまで一括対応
- 生前からの相談で、実際の死後事務の執行まで一貫して関与できる
- 相続人がいない方でも安心して任せられる
当事務所では、ご本人の「こうしてほしい」という気持ちに寄り添い、ご希望に沿った形での準備をご提案しています。
まとめ:その希望、遺言書だけで足りますか?
よく、「遺言書が必要だ!準備しておこう!」といわれます。雑誌やネットでもよく言われています。(このサイトでも書いてます)
でも、死後事務委任契約の準備までは、あまり言われていないと思います。
ですが、準備してあれば、自分の意思を明確にして、しっかり実現させることができます。
記事の中で述べた「検討したほうがいい方」に当てはまる場合は、遺言書の用意とともに行ったほうがいいでしょう。
もしあなたが、「自分がいなくなった後、迷惑をかけたくない」、「ちゃんと自分の意志を尊重してもらいたい」と思っているなら、今が最適なタイミングです。
「相談したいけど、ちょっと不安…」という方も、ちょっと聞いてみるだけでも構いません。
ご相談は初回無料ですので、お気軽にお電話やメールでご相談ください。
