遺言書も何もなくて困った…“普通の家”で起きた相続のバタバタ
「うちは財産なんてないし、相続なんて関係ないよ。遺言書なんかいらないよ」
そうおっしゃる方、結構多いんです。でも、本当にそうでしょうか?
たとえば、下記のようなケースはよくあるものです。
ある日のこと。50代のAさんから、少し焦った声でご相談をいただきました。
「父が急に亡くなったんですが…。通帳とか保険とか、何があるのかも分からないし、遺言書もなくて…。
兄弟3人で「とりあえず、遺産を3等分にしようか」と話し合いを始めたんですが、
妹が突然声を荒げて、「ちょっと待ってよ!お兄ちゃんは生前、車買ってもらってたじゃない!私は何も貰ってないよ!」と怒り出してしまって…。
お互いに言い分があるようで、話し合いは一気にピリついた空気になってしまいました。」
このご家庭、特別な資産家でもなんでもありません。
財産は、ご自宅の土地建物、わずかな預貯金、車が1台。
よくある「ごく普通の家」です。
でも、「何をどう手続きすればいいか分からない」、「感情的な行き違いが起きやすい」という相続の難しさは、財産の多い少ないに関係なく、誰にでも起こり得ます。
相続手続きって、何から始めればいいの?
もし相続が発生すると、大体、次の手続きをやらないといけません。
- 死亡届の提出、火葬許可・埋葬許可の取得
- 年金や健康保険、税金などの停止手続き
- 戸籍を取り寄せて、相続人の調査
- 預貯金や不動産の調査
- 遺産分割協議書(相続人全員で取り決めた内容を書面にしたもの)の作成
- 預貯金や不動産の名義変更
- カードの解約や公共料金の名義変更
- 相続税の申告(必要な場合は)
これらを全部整理して、行っていかなければならないならないのが現実です。
遺産が数十万でも数億単位でも、手続きはほとんど変わりません。(相続税申告の有無くらい)
相続手続きはみんな手間がかかるのです。
これに加えて、「口座が凍結されて生活費が出せない」、「よくわからない引き落としが解約できない」など、手続きを放置すると生活に支障が出ることもあります。
「三無主義」が、家族を困らせる
相続のお話を聞いていると、ときどき感じるのが「三無主義」という考え方です。
これは、遺言書を書かずに人生を終えようとしている方に、しばしば見られる3つの「無」のことです。
- 無関心:「遺言書なんて別にいらないだろ、うちは財産もないし揉めないだろうし」
- 無気力:「作るのは面倒くさそうだし、もういいや…」
- 無責任:「万が一のときは家族が何とかしてくれるでしょ」
――この「三無主義」、実は相続トラブルの温床です。
「うちは仲がいいから大丈夫」と思っていた家ほど、遺言がなくて意見がぶつかり、相続トラブルになってしまうのは珍しくありません。
そして何より、残されたご家族はこう思うのです。
「遺言書一枚を書いておいてくれたら、ここまで揉めなかったのに…」
「父さんらしいけどさ、ちょっと無責任だったよね…」
大切な人に、そんな気持ちを残したくはないはずです。
少しの準備で、家族の未来が大きく変わることを、どうか知っておいてください。
争わずに済むために、今できる準備とは?
相続を「家族の負担」にしないために、できる準備は意外とシンプルです。
できること① 遺言書を作る
遺言書があれば、財産の分け方だけでなく「なぜこのように分けたか」というメッセージも伝えられます。
法的に有効な内容にするには、専門家との相談がおすすめです。
できること② 財産の棚卸し(エンディングノートや一覧表)
預貯金・不動産・保険・年金・貸金庫など、自分の資産を整理して書き出しておくと、相続人が「何をどう引き継ぐべきか」が格段に分かりやすくなります。遺言書作成の準備にもなります。
また、エンディングノートでも一覧表でもいいので、書いたものを保管しておけば、遺族が手続きをするときに口座や保険証書などの情報もわかりますので、スムーズです。
できること③ 専門家とつながっておく
「何かあったら、○○先生に相談してね」と家族に伝えておけば、混乱を最小限にすることができます。遺言書作成の時に相談しておいてもいいでしょう。
行政書士に相談するメリット
たとえば、行政書士は、下記のような手続きをサポートできます。
- 相続人の調査や戸籍の取得を代行
- 遺産分割協議書の作成支援
- 金融機関や役所などとのやりとりを代理
- 遺言書の作成支援(文案から公正証書の手配まで)
相続手続きに慣れている人はほとんどいません。
だからこそ、実務に強い専門家がそばにいると、大きな安心につながります。
まとめ:「準備していたら、全然違った」と言われる相続へ
「まだ早い、そんなのいらないよ」と思って全く準備していなかったら危険です。
いざ相続が始まったとき、残された家族が慌ててしまいます。
準備していたら防げた余計な心配や負担がかかり、その後の家族関係に、ひびが入るかもしれません。
そんな例はたくさんあります。
相続は「お金のある家」だけの問題ではありません。
むしろ、「何も決まっていない普通の家」ほど、トラブルになりやすいのです。
たとえば、令和3年の司法統計によると、相続争いで調停や審判になった事件の内、全体の約76%が遺産額5,000万円以下のごく普通の家庭でした。件数の4分の3です。
これくらいの金額だと、財産が自宅の土地建物がほとんどという場合が多いでしょう。
不動産は均等に分けるのが難しいため、話し合いがまとまらなかったケースが多いのだと推測されます。
「遺言なんて縁起でもない」という方もいるかもしれません。
でも実は、遺言書を書くという行動そのものが、家族への「思いやり」なのです。
「誰に、何を、どんな想いで渡したいのか」
あなたの意思を残しておくことで、残されたご家族の迷いや衝突を防ぎ、安心と納得を届けることにつながります。
残された家族が困らないよう、今からできる準備をしておきましょう。
タイヨウ行政書士事務所では、遺言書作成サポートを行っています。
まずはお電話やメールでご相談ください。ご相談は初回無料です。
「何から始めればいいか分からない」
そんな時は、ちょっと聞いてみるだけでも構いません。
ご相談はいつでもお気軽にどうぞ。
